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「MM9」(山本 弘) [SF]

MM9

MM9

  • 作者: 山本 弘
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 単行本
 SFとしては「シュレジンガーのチョコパフェ」に続き、また山本弘の作品。こっちは新刊、と言っても昨年11月刊だが。
 「MM」とは「モンスター・マグニチュード」の略。つまりこれはなんと「怪獣もの」である。台風・地震などの自然災害の一種として〈怪獣〉に対処するために気象庁に設けられた「気象庁特異生物対策部」略して「気特対」が舞台。ってこたぁ、こりゃ「ウルトラマン」へのオマージュではないか。
 それにしても、〈怪獣〉とはまたなんともぶっとんだテーマだ。お子様向けの「子供騙し」の世界に向き合って、「まともなSF」に仕立て上げようとする、その意気や、よし。
 流石は山本弘、真面目に理屈付けを試みている。怪獣という存在が持つ基本的、重大な矛盾(質量保存則など物理法則に反している)という難問を〈多重人間原理〉という仮説によって説明してしまう、その強引さが心地よささえ醸し出す。
 登場人物たちの熱血な心の描写はいかにも山本節で、共感を呼ぶ。
 それにしても、ここに出て来る「人間原理」って、「強い」のと「弱い」のとあるうちでも、「めちゃくちゃ強い人間原理」ではないのか? しかもそれが「多重」となると、もはや「トンデモ」の域を超えているのだが、それが作者の意図である以上、「トンデモ」の定義には当てはまらないのだった。
タグ:山本弘
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コメント 4

duznamak

 僕もこの本の書評を書こうと思っていたのですが、先を越されてしまいました。「怪獣が存在する世界は、どうあるべきか」を真剣に考えた作品ってほとんどないので、この小説の世界設定には感心しました。『ウルトラマン』の、バルタン星人のエピソードや、ゴモラのエピソードに違和感を覚えていた怪獣ファンは多いと思うので、たぶん、それらに対する山本氏なりの回答がこの作品なんだと思います。
 多重人間原理は、「××以外は現実世界にそっくり」という世界設定に違和感を覚えるSFファンへの回答ですね(××の部分には、「怪獣がいる」「魔法が存在する」「ソ連がまだある」などが入る)。

 ちなみに、作者のホームページには、「メガドレイク」のイメージ図が載っています(ちゃんと、スーツアクターが演技しやすいようにデザインされてます)。
by duznamak (2008-03-20 17:22) 

ask

>先を越されてしまいました。
いやいや、私が書いたからもういいや、じゃないでしょ?
duznamakさんの感想をもっと詳しく展開して書いてみて下さい。

>作者のホームページ
言われて初めて見に行きました。裏話があってためになりますね。
by ask (2008-03-20 19:13) 

ask

なんとTVドラマ化された!

http://mmmmmmmmm.jp/index.html
by ask (2010-07-08 16:27) 

ask

ドラマの第1回、観たけど、なんとまぁグダグダ!というか低予算過ぎというか、最悪!
ヒドすぎる。
by ask (2010-07-11 15:03) 

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