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「神の左手」(ポール・ホフマン) [ファンタジー/ホラー/ミステリ]

書店で目について、面白そうだなと思って図書館で借りて読んだ。夏向きかも。
 「ファンタジー」と言っていいのだろうが、魔法も妖怪も出て来ないので、ちょっと抵抗があるといえばある。ヨーロッパ中世風の世界を舞台にした、架空歴史ダーク・ファンタジー。
神の左手

神の左手

  • 作者: ポール・ホフマン
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/06/01
  • メディア: 単行本

 何をもって「ダーク」というのかよく分からないが、とにかく雰囲気が異様に暗いことは確か。特に冒頭描かれるサンクチュアリという修道院風の城の中のおぞましい営みの光景がインパクトがあって、たちまち引き込まれる。

 ここはキリスト教を極端にカルト化した造形が施されてはいるのだが、その教義などは詳しく語られない。ただただもう不気味で終末論的なのはわかるのだが。その辺りはちょっと不満が残る。
 また、実在の地名が脈絡なく使われたり、「メートル」などという単位が出てきたり、ちぐはぐな印象を与える部分も結構あるし、緻密な世界構築がされているとは言いがたい。

 「神の左手」という書名だが、右手の正しく人を救うものに対して、恐らく人を罰し、殺人を犯す手のことだろう。

 主人公は非凡な能力を持つ少年で、仲間と共に脱走することでストーリーが動き出し、冒険につぐ冒険、あれよあれよの怒涛の急流のような展開となって飽きさせない。個性的な登場人物たち。徐々にその世界の構造が見えて来るし、主人公の能力の秘密が明かされ、またそれをめぐって政治的思惑も渦巻く。そして恋。ただ、この恋も単純でおおらかな美しいものではなく、屈折しまくりの苦しい恋だ。だが、そこがいい。主人公の成長と友情の要素も大きい。そして戦闘場面の迫力も。
 3部作の第1巻だそうで、確かに完結した感じはなく、まだ序盤と言ってもいい印象だ。つまり「エピソード1」。
 訳は金原瑞人。さすがに読みやすい。
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コメント 1

ask

続編「悪魔の右手」を読んだので、↓書きました。
http://ask0030.blog.so-net.ne.jp/2012-08-28
by ask (2012-10-14 11:36) 

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