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「余人をもって代え難い」の使い方 [言葉]

 小説家というのは日本語に堪能なものと思いこんでいたが、どうもそうでもないらしい。しかもケータイ小説とやらでぽっと出てきた新人でなく、日本の文学界の最高齢に近い現役作家にして文壇の大御所、であるので驚きはひとしおだ。

 「余人をもって代え難い」 という言葉は、その人固有の特殊な得難い能力について第三者が客観的な立場で評して言うもの(しかも最大級の賛辞)であって、自分や身内については決して使うべきものではない。それを言って許されるのは金正日くらいのもんである。
 こんなことは日本語の作法の常識ではないか。我が子が他人とは代えられない、かけがえのない可愛いものだというのは自然な親の情ではあろうが、公の場で使う言葉ではない。はしたないというか見苦しいというか。

 こんな使い方をするのは、自分の父親について「お父さんが…」と言った杉村太蔵代議士並みの言語姦覚ではないか。文語的表現だからかっこよく格調高くてサマになるとでも思ったんだろうか?

 似たような使い方で、前からヘンだと思っていたのが、「正論」である。
 これも、「あなたの言うことは正論だ」とか「彼の説は正論だ」など、他人についての評価として発すべき言葉であるのに、あろうことか自らそれを堂々と名乗った雑誌とか、新聞のコラムの題名にしてる例があるのには唖然としてしまう。
 誰だって、自分の意見・考えは正しい、と思っているのは当たり前で、と言うか「正しいのは~~だ」とする判断こそ人間の思考の基本であろう。だから、わざわざ「~~というのが正しいと思う」などと付け足す必要はさらさら無く、また「自分の言うことは正論だ」などとわざわざ言っても全く意味をなさないのであるが、それをあえて「自分の方が正論だ!」と強調するのは非常に傲岸不遜な押しつけがましい態度ではなかろうか? やはり日本語の間違った使い方としか思えない(というのが正しいのだ)
 しかもそれが「愛国」を叫ぶ出版社だったりするので、わけがわからなくなる。そこに恥ずかしげもなく平気で寄稿する「識者」たちの廉恥心も推して知るべしだが、日本語もろくに操れない輩なんぞに愛国心を教えて貰いたいなどとは到底思わない(のが正論だってば)
 


タグ:使い方
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コメント 4

michaela

ご訪問いただき、やってまいりました。
日本語の間違った使い方、気になりだすとどうにも仕方ありません。
敬語の使い方然り、マニュアル言葉然り。
政治家や識者には正しく言葉を使って欲しいと思います。
操り方を間違えられた言霊が暴れだすことのないよう・・・。

ほかの記事も読ませていただきましたが、面白い視点に共感したものがたくさんありました。
by michaela (2006-12-14 13:08) 

ask

お返事が遅れてすみません。
>面白い視点に共感したものがたくさんありました。
ありがとうございます。nice!欠乏症の私には嬉しいお言葉です。
私もmichaelaさんくらいのnice!獲得率をめざしたいのですが、
ま、マイペースでやってくしかないですね。
by ask (2006-12-15 17:53) 

NO NAME

十八史略で東晋の時代を読まれてはいかがでしょうか。前半の話題に関して有益な情報が手に入るでしょう。
by NO NAME (2007-03-29 19:14) 

ask

おっとっと。コメントがあったのに気づくのが遅れました。
>十八史略で東晋の時代を読まれてはいかがでしょうか。
>前半の話題に関して有益な情報が手に入るでしょう。
「十八史略」「東晋」「余人」でググってみましたが、それらしい情報には行き着けませんでした。なんかの故事来歴があるんでしょうか?
図書館に行きたしと思えど、図書館はあまりに早じまい。
by ask (2007-04-02 22:46) 

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